2014/10/13

フォーレ/ペレアスとメリザンド

フォーレの「ペレアスとメリザンド」は、モーリス・メーテルリンクの戯曲(舞台劇の原作)のための音楽として作曲されています。

フォーレの他にシベリウス・ドビュッシー・シェーンベルクの作品もありますが、やはりフォーレのこの曲が一番演奏される機会が多いかと思います。

今回演奏する組曲版は全曲の19曲から5曲を抜粋して構成されていますが、普段は歌曲を除いた4曲で演奏される方が多いでしょうか。

フォーレもメーテルリンクもパリを中心に活動していましたが、この「ペレアスとメリザンド」に含まれる歌は英語の歌詞になります。

ロンドン滞在中のフォーレが依頼されて作曲されたためで、初演もロンドンでフォーレ自身の指揮によって行われています(もっとも最初はドビュッシーに依頼したのだが断られたためにフォーレに声がかかった・・・ということです)。

例によってドビュッシーの毒舌はこの作品にも向けられ、「糸を紡ぐ女」(組曲の2曲目)を娼婦のようだと評価したなどとの話もありますが、有名な「シシリエンヌ」をはじめフォーレらしい美しい音楽が揃っています。

劇のストーリーを要約してしまうと「妃と浮気した弟を兄が殺してしまう」話で、原作は半日もあれば読み終わるボリュームです。

読み進めると「水」や「泉」の話がところどころにでてきて、実はメリザンドは人間ではなく水の精だったのかな・・・と思ったり、「盲目の老王」・「盲目の 泉」・「王の3人の盲目の娘たち」は一体何を意味しているのだろう、とストーリーだけではないもやもやとした感想が残る作品ではありました。

ドビュッシーの同名作品はオペラになりますが、こちらもドビュッシーらしい美しい音楽で、こちらもいつかは演奏してみたいな・・・と思う曲の一つです。

■参考
ペレアスとメリザンド ストーリー紹介 http://kcpo.jp/info/35th/Pelleas.S.html