2014/10/13

J.ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲 作品56a

ブラームスの管弦楽曲では2つの序曲とこの「ハイドン・バリエーション」が演奏機会の多い曲です。完成が1873年ブラームスが40歳の時で、ウィーンに居を移した最初の作品となりました。

この曲の前の作品は作品53「アルト・ラプソディ」、作品54「運命の歌」、作品55「勝利の歌」と合唱曲が続いています。
 
若い時のセレナードやピアノ協奏曲があまり評判よろしくなく、合唱を伴う作品、作品45「ドイツ・レクイエム」や作品50「リナルド」などを経てようやく管弦楽の作品へと至った訳です。
 
そしてこの曲に続く管弦楽曲は3年後の交響曲第1番ですので、充実した内容を持つ作品となっています。
 
ブラームスにとって変奏曲という形式はとても重要なものと言われています。
バロックから用いられていたこの変奏曲の手法を用いていたこともブラームスが「保守的」と評価された一因なのでしょうか。
 
この「ハイバリ」の他にも「ハンガリー主題による14の変奏曲」「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」「シューマンの主題による変奏曲」「パガニーニの主題による変奏曲」などがあります。
 
また弦楽四重奏曲第3番やクラリネット五重奏曲にも変奏曲が含まれていますね。
さて、この曲の「ハイドン」は今では偽作とされる管楽ディベルティメントです。
原曲はオーボエ、ホルン各2、ファゴット3、コントラファゴットの八重奏ですが、木管五重奏の方が有名でしょうか。
 
このコラールが「聖アントニウスのコラール」と呼ばれているため、「聖アントニウスの主題による変奏曲」とする人もいるようですね。
 
この曲は管弦楽版の他にも作曲者自身によるピアノ版があります。
管弦楽版とはまた違った魅力的な曲に仕上がっていますので、こちらもオススメです。
2台のピアノで演奏されていますが、ブラームスとクララとで演奏したかな、などと想いを馳せながら聴いてみるのも一興でしょうか。