2020/01/17

L.v.ベートーヴェン/エグモント序曲Op.84(ホルン八重奏)

ベートーヴェンの生誕250年にあたる今年。かの楽聖の名を戴く当団としては、室内楽演奏会といえどもその作品は外せない、ということで、ホルンアンサンブルで演奏するのはベートーヴェン中期の名作、劇音楽「エグモント」op84 より序曲となります。この劇音楽は序曲が大変に有名ですが、その他に、物語の進行に沿った9曲の小曲があり、それらを合わせて一つの作品となっています。


劇音楽の題材となった「エグモント」の物語は、スペイン(ハプスブルク帝国)治下のネーデルラントで、その圧政に対して立ち向かった実在の人物、エグモント伯を描いています(序曲の冒頭で提示され、主部でも何度も現れるリズム動機は、スペインの舞曲「サラバンド」を連想させるもので、スペインの圧政を示しているとも言われます)。

物語の最後、エグモント伯は牢につながれ、斬首の刑に処されることとなります。しかし、その精神は死後も讃えられ、後世へとつながっていくことを確信するかのように、高揚感のある勇壮な音楽「勝利の交響曲」を背景にエグモント伯は死刑台へ歩んでいきます(この音楽は、序曲のコーダにそのまま引用されています)。

オーケストラで演奏する際は、優しく慰めるような響きの木管、ヒロイックな金管、雷鳴のように轟くティンパニや低弦、焦燥感あふれる悲壮なメロディを奏でるヴァイオリンやヴィオラ、高潔な精神の勝利を表すコーダのピッコロの煌めき、などなど、多様な楽器が組み合わさって世界を作りますが、今回の演奏ではホルン8本のみ。表現力を磨く機会と、悪戦苦闘しながら演奏致します。しかし、ホルンが重なって紡ぐ重厚なハーモニーは、この曲のテーマを表すのに最適なのかもしれません。どうか楽しんでお聴き下さい。

この曲の演奏会