イベールはフランス、パリ生まれの作曲家ですが、実は日本との関わりがあります。
1940年に日本からの依頼でフ ランス政府を通じ、日本の皇紀2600年奉祝曲「祝典序曲」を作曲しています。
今回演奏する「木管5重奏のための3つの小品」はその10年前、1930年に作曲されました。
この曲は、中学校の吹奏楽部から社会人まで幅広く人気のある 曲で、演奏頻度も高い曲の一つです。この人気の理由は、オシャレな曲風にあると言えます。
1曲目の始まりは、記譜では2/4拍子ですが、まるで3拍子であるかのように聞こえる工夫がされています。ぜひ、曲の始まりに注意して聞いてみてくださ い。その後は、このオシャレな曲風を演出するべく、各楽器の魅力が順番に現れ、とても華やかな曲になっています。最後まで遊び心の溢れた、聞いている人 も、演奏している人も大変楽しめる作品です。
2曲目は、フルートとクラリネットの美しい二重奏から始まります。3曲の中で最も短い曲ですが、後半からオーボエ・ホルン・ファゴットが加わり、曲の世界 が広がっていきます。そうかと思うと、そのまま静かに終わってしまうこの曲の雰囲気を気に入る人は多いのではないでしょうか?
3曲目は3拍子と2拍子を繰り返したり、テンポに変化があったりと、聞いているだけでもすごく楽しめる曲です。それだけに、演奏者同士のタイミングの合わせ 方にも、ぜひ注目してみてください。