2016/11/03

L.v.ベートーヴェン/劇音楽《アテネの廃墟》 作品113 より序曲

「トルコ行進曲」と言えば、「エリーゼのために」と双璧をなすほど有名なベートーヴェンのピアノ曲ですが、この曲は実は管弦楽曲だったことはご存じでしょうか? 

それが演奏会の皮切りに演奏される「序曲」が収められている劇付随音楽「アテネの廃墟」の第四曲が「トルコ行進曲」です。
 「序曲」もベートーヴェン中期の作品らしく、とても充実した作品です。 聞きどころはなんといっても序奏部の陰影のあるオーボエのソロです。ベートーヴェンの序曲でこのような特定の楽器による長大なソロが演奏されるのはこの一曲のみです。

ドラマは主神ゼウスによって2000年間眠らされていた知恵と芸術の神ミネルバが目を覚ますとアテネは、トルコの侵攻により廃墟と化していたところから始まります。オーボエのソロはミネルバの悲しみを表しているかのようです。 
 曲の後半は、新たな土地で芸術の発展に力を尽くした皇帝フランツをたたえる賛歌で曲を閉じます。

曲は1811年に作曲され1812年の同じく劇付随音楽の「シュテファン王」と共に初演されました。