2016/07/20

L.v.ベートーヴェン / 弦楽四重奏曲第4番ハ短調Op.18-4

ベートーヴェンは、全16曲の弦楽四重奏曲を、前期6曲・中期5曲・後期5曲、とその生涯にわたって書き続けました。この4番の含まれる前期作品は、まだハイドンやモーツァルトの影響が残り、難曲ぞろいの中後期作品に比べてアマチュアでも比較的取り組みやすいと言われています。「第4番」とはなっていますが実際に作曲されたのは6番目、前期6曲の中で唯一の短調からは、徐々に耳が聞こえづらくなっていくベートーヴェンの苦悩が伝わってきます。交響曲第5番「運命」やピアノソナタ8番「悲壮」などの名曲と同じハ短調が使われているところにも特別な思いが込められているように感じられます。
冒頭は第一ヴァイオリンの力強く悲しい旋律から始まります。“旋律”対“伴奏”の第一主題から、お互いが心地よくなじむ第二主題へとつながっていきます。展開部では激しさを増し、悲壮感をより一層強めながら一楽章が進行します。

第二ヴァイオリンから始まる二楽章では、一楽章とは対照的に、楽章を通じて各楽器が対等にかわるがわる顔をのぞかせます。全体を通して軽やかな雰囲気ではありますが、その中にも緊張感や優しさ悲しみなどいろいろな音のバリエーションが表現されています。

三楽章はスフォルツァンドが印象的なドラマティックな出だしから始まります。4つの楽器が重厚に入りまじる大海原のようなメヌエット、3連符の刻みの中から優しいメロディが表れる穏やかな川のようなトリオ、対比的に描かれる各部分はベートーヴェンの迷いが表れているのでしょうか。

四楽章では一楽章から続く悲壮感が再び強く呼び起こされます。第一主題を何度も繰り返して徐々に盛り上がりながらたどり着いたコーダでは、最後に少し明るさをのぞかせしかしユニゾンで力強く終曲します。悲壮感やもの悲しさが随所に感じられる苦難の曲ではありつつも、様々な迷いが吹っ切れた、そう感じさせるような終わりを迎えます。

2016/06/11

L.v.B.室内管弦楽団第38回演奏会

L.v.B.室内管弦楽団第38回演奏会

2016年11月23日(水・祝) 府中の森芸術劇場ウィーンホール
13:30 開場 14:00 開演

指揮:
 苫米地 英一

独奏:
 印田 千裕

曲目:
 L.v.ベートーヴェン/劇音楽《アテネの廃墟》 作品113 より序曲
 F.メンデルスゾーン-B/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
 J.ブラームス/交響曲第2番ニ長調 作品73

入場料:
 全席自由1,000円(前売800円)
 前売りチケット
  イープラス
  府中の森芸術劇場チケットセンター(電話のみ、042-360-4044)

「室内オーケストラのブラームス」、最後はブラームスの田園交響曲とも呼ばれる第2番です。ホルンのソロから始まり歓喜に溢れるフィナーレまで全体を通して穏やかな表情を持つこの曲は厳しい表情を見せる第1番とは対照的な曲で、実に21年もの歳月をかけて完成された第1番の翌年、わずか一夏の間に書き上げられています。
作曲されたペルチャッハは南オーストリアの避暑地で、現在もブラームスが滞在した家はペンションとして営業しているそうです(ただし地元ではそれほど観光名所というわけではない、らしい)。

あわせて演奏するのはメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。
ベートーヴェン・ブラームスと並ぶ三大協奏曲、あるいはチャイコフスキーもあわせて四大協奏曲ともされるこの曲は素直に心に染み入るメロディーが人気で、初演から180年が見えてきている現代においても数多くの演奏会で取り上げられています。

そしてベートーヴェンの作品は《アテネの廃墟》の序曲。
あまり演奏される機会のない曲ですが、この劇音楽の「トルコ行進曲」はピアノの作品でよく知られています。



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会場アクセス:
 東府中駅(新宿駅から約25分、京王八王子駅から約20分)北口下車 徒歩7分

2016/05/14

P.I.チャイコフスキー/ロココの主題による変奏曲 イ長調 作品33

永遠の定番とも言える不動の人気の曲がいくつかあります。
例えばベートーヴェンの「運命」、ブラームスの交響曲第1番などなど。
その一角を占めるであろうチャイコフスキーの作品群はオーケストラの一体感、特にユニゾン(各パートが同じパッセージを演奏すること)の多用による効果と、メロディーの美しさにあるでしょう。 オーケストラでは交響曲第4、5、6番、ピアノ協奏曲、バイオリン協奏曲、室内楽では弦楽四重奏曲(アンダンテ・カンタービレが特に有名です)はいずれも華やかさと美しさ、そして遠いロシアの音楽でありながらどこか懐かしさを感じる名曲達です。

そんなチャイコフスキーの作品の中で、この「ロココの主題による変奏曲」はちょっとマイナーな曲になります。
他の人気曲と比較するとオーケストラ曲としては編成が小さく、金管楽器のファンファーレなどもありません(編成にもトランペットとトロンボーンが含まれていません)。

チャイコフスキー「らしさ」のひとつが弦楽器・管楽器によるフォルテの演奏とすると、この「ロココ」ではそのような場面がなく、独奏チェロの技巧的な変奏曲が続く異色の作品かもしれません。

しかし冒頭のテーマが始まった瞬間、これはチャイコフスキーだと思わざるを得ない魅力的なメロディーと7つの変奏曲(原典版では8つ)は、決してこの曲が凡庸な作品ではないと感じさせます。

タイトルにつけられた「ロココの主題」とは過去の音楽家の作品からの引用ではなくチャイコフスキーのオリジナルのものだそうです。
「ロココ」とは美術史ではバロックの後の時代、フランスから始まった様式です。
バロック・古典主義・ロココ・新古典主義・ロマン主義などと分類されますが、音楽ではバロック音楽(バッハ)、古典音楽(ハイドン、モーツァルト)、ロマン派(ベートーヴェンより後の時代) などと分類されますが「ロココの音楽家」とはあまり呼ばないようです。
調べたところクープランやラモーの作品がロココの音楽と分類されることもあるようですが、実際のところ美術の方でもあまり明確にバロックとロココの違いはないそうです。

ロシアにおいては女帝エカテリーナ1世がサンクトペテルブルク郊外に建て、世界遺産にもなったエカテリーナ宮殿がロココの建築物です。チャイコフスキーはサンクトペテルブルクにあるアレクサンドル・ネフスキー寺院(こちらも世界遺産)に埋葬されています。特にチャイコフスキーがエカテリーナ宮殿を訪れたようなエピソードはありませんでしたが、豪華絢爛なこの宮殿をイメージした演奏してみたいと思います。

2016/05/10

L.v.B.室内管弦楽団 室内楽演奏会vol.6

2016年8月11日(木・祝日) 五反田文化センター 音楽ホール
13:00 開場 13:30 開演
入場無料
 
曲目:
 W.A.モーツァルト / 五つのディヴェルティメント変ロ長調 K.439b(Anh.229)より第1番
 L.v.ベートーヴェン / 弦楽四重奏曲第4番ハ短調Op.18-4
 F.ドップラー / 「アンダンテとロンド」ハ長調Op.25
 J.パッヘルベル / 3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調 よりカノン
 W.A.モーツァルト / ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447

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オーケストラの演奏会以上に盛り合わせをお楽しみいただいている室内楽演奏会。
今回は初となるベートーヴェンの弦楽四重奏、初期の作品18から唯一の短調となる第4番に取り組みます。

管楽アンサンブルはディベルティメントから第1番。
この作品はモーツァルトの死後に出版され、時には偽作や他の作品の編曲が含まれたりと落ち着くまでに時間がかかりましたが、現在では弦楽三重奏など様々な編成で演奏されます。

ドップラーはあまり知られていない作曲家ですが、ハンガリーの出身で19世紀中旬に活躍したフルート演奏家・作曲家・指揮者です。オペラなども残してますが、フルートの作品を多く残しています。

弦楽合奏はパッヘルベルの「カノン」とモーツァルトのホルン協奏曲。
カノンはクラシックに詳しくない人でも一度は聴いたことのあるだろう有名な作品です。
そして演奏会の最後はホルン協奏曲。
モーツァルトが友人のホルン奏者のために4つの作品を残しましたが、この第3番はちょっとだけ「地味」とされますが、その代わりロマンス楽章は特に素晴らしい1曲です。

今回もお楽しみいただけるプログラムですので、ぜひご来場ください!

会場アクセス:
 JR山手線、都営地下鉄浅草線、東急池上線「五反田駅」より徒歩約13分
 東急池上線「大崎広小路駅」より徒歩約10分
 東急目黒線「不動前駅」より徒歩約10分

 

第37回演奏会チケット販売

イープラス及び府中の森芸術劇場でチケットの販売が始まりました!

イープラス
http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002190524P0030001
府中の森芸術劇場チケットセンター
042-360-4044