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2014/09/23

E.グリーグ/「2つの悲しき旋律」 作品34

グリーグといえば、ペール・ギュントやホルベルク組曲、ピアノ協奏曲など馴染みの曲があるものの、彼の母国たるノルウェーをはじめとした北欧の国々 と日本はあまり縁が深いとは言えないかもしれない。日本史を教科書をパラパラとめくっても、ノルウェーがでてくることはまずない・・・と思う。正直、私自 身ノルウェーについての知識もあまりない。教科書通りの話をすれば、お互い王室・皇室を持つこともあり皇室外交が展開されているとか、政治・経済的にはそ れほどの深い関係はないのかな?とか、あとは「ノルウェー料理の店」を見かけた記憶がない、といった程度だろうか。

だが、しかしである。このグリーグの作品は何故、これほどまでに心に染込んでくるのであろうか。ペール・ギュントの冒頭が流れれば、誰もが、多くは 実際には見たこともない、北欧の光景を思い浮かべてしまう。朝、白樺の林(がノルウェーにあるのかは知らないが・・・)に霧が立ち込め、小鳥のさえずりが どこからとも聞こえてくる・・・。ああ、なんとも幻想的な光景だ。遠くユーラシアの反対に位置する音楽がこれほど心を、魂をゆさぶるのだ。かのカザルスの 言葉と私の師匠がよく引用するのだが、「音楽は世界を救うであろう」、を信じてみたくもなるものだ。

さてこの「2つの悲しき旋律」、もとは歌曲として作曲されたものだそうだ。歌曲といえばシューベルトやシューマンなどが有名であるが、このグリーグ もなかなか大家として名を馳せているらしい。らしい、となるあたりが器楽奏者の世間の狭さをあらわしているが・・・なかなか自分で演奏する機会がないと勉 強不足となってしまうなぁと痛感する。

第1曲は「胸の傷み」。失恋であろうか・・・ともすればあまりに暗くなってしまうが、冒頭はバイオリン、それからチェロにより主題が奏でられる。

第2曲は「過ぎにし春」。北欧の遅く、短い春の終わりは日本のような「梅雨の季節だねぇ・・・」な憂鬱な季節ではないようだ。

余談
ノルウェー暮らし:ノルウェー料理のレシピなんてものが