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2019/07/16

F.メンデルスゾーン-B / ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 作品49

メンデルスゾーンと同じ時代に活躍したシューマンに「ベートーヴェン以来、最も偉大なピアノ三重奏曲」と言わしめた、メンデルスゾーンの作品の中でも最も人気のある一曲。メンデルスゾーンはモーツァルトに負けず劣らずの天才であったと言われ、また同じく夭逝した作曲家でもあり、この曲も彼の短い人生の中では後半に書かれている。

1楽章:冒頭チェロの奏でるメインテーマで静かに始まり、様々に形を変えて発展する。再現部では高音から降りてくるヴァイオリンの対旋律が美しい。

2楽章:ピアノと弦が対話する、素朴な無言歌。メンデルスゾーンの代名詞ともなっている無言歌だが、当時彼の名を借りて活動していた姉ファニーの考案とも言われている。(実はファニーの方が才能があったという説もある)
3楽章:軽やかに駆け抜ける、明るいスケルツォ。
4楽章:どこか民族的な印象を受けるフレーズが絶え間なく繰り返される。初版から第2版に改訂された際に大きく手が加えられ、ピアノのヴィルトゥオーゾ(超絶技巧)要素が強くなった。

シンプルな曲構成を理由に室内楽の入門曲として取り上げられるが,一方で圧倒的な音数にピアニストが頭を抱える曲としても有名。自身もピアノの名手であったメンデルスゾーンこだわりの一曲となっている。