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2018/07/28

L.v.ベートーヴェン/木管八重奏曲 変ホ長調 Op.103

管楽器のための8重奏曲 変ホ長調 Op.103は、1792年に作曲され1793年に改定された楽曲です。
ベートーヴェンは1770年生まれなので22・3歳ごろに作ったことになり、作品番号でいえば1番あたりでもよいはずなのに何故103番なのか-それは、この曲がベートーヴェンの死後、1830年に出版されたためこのような作品番号となった-ということです。

ちなみにベートーヴェンは改訂されたのに外に出さなかったこの曲を弦楽5重奏に編曲し、1796年に「Op.4」として出版しました。弦楽5重奏という新ジャンルを開拓する実験曲のベースとしてOp.103を使用していたのです。
さらに1806年、彼のよき理解者でありよき友であったフランツ・クラインハインツが弦楽5重奏からピアノ3重奏曲に編曲し、本人がそれを承認したことでOp.63として出版されています。
まさにこの曲は一粒で三度美味しいといわんばかりですが、曲のベースは同じでも全てが別の楽曲として成立するのはさすが大作曲家!としかいいようがありません。

Op.103の編成はオーボエ・クラリネット・ファゴット・ホルンが各2本で、この編成はベートーヴェン憧れのモーツァルトの管楽セレナーデと同編成なので、何か影響を受けたに違いないでしょう。
曲想は短調楽章のない、軽やかで明るく爽やかな4つの楽章で構成されています。オーボエとクラリネットが曲を導きファゴットとホルンがそれを支える、木管楽器の温かくて柔らかい響きとバランスのとれた音楽をお届けいたします。

この曲の演奏会
室内楽演奏会vol.10