オーケストラや室内楽で低音セクションを担当するチェロは、古楽では肩にかけてバイオリンのように演奏されたり、床にエンドピンを指さず足に挟むスタイルから発展してきた楽器だ。
イタリア語のVioloncelloとはViolon=Viola+one(大きなヴィオラ) + cello(小さい)、つまり「小さな大きなヴィオラ」の意味になる。もともと弦楽器一般をヴィオラと呼んでおり現在のそれとは異なるのだが、当時の弦楽器の大きいものがViolone(ヴィオローネ、コントラバスの祖先)、さらにそれの小さな楽器がVioloncello、ということだろうか。
ただしヴァイオリン、ヴィオラ、チェロは「ヴァイオリン属」と呼ばれる楽器で構造的にはヴィオローネとは別のものである。
楽器としてのチェロは低音楽器でありながら倍音を利用することで高音までを出すことが可能で、音域の広さを活かして同一楽器でのアンサンブルにも取り組まれている。
近年では「1000人のチェロ・コンサート」がもっとも有名なイベントだろう。
『2つのサロン風の小品』より 1.レリジオーソ (Georg Eduard Goltermann, 1824 – 1898)
この曲は1000人のチェロコンサートで何度も取り上げられており、チェリストの間ではお馴染みの一曲です。逆に、チェリスト以外はこの曲は全く知られていません。この機会にぜひお楽しみ下さい。
即興曲 Op.30 (Julius Klengel, 1859 - 1933)
ドイツの有名(らしい)曲のメドレーで構成されていて、ゆったりとした賛美歌から始まり、最後は結婚行進曲で華やかに終わるという気ままな接続曲スタイルの作品。
この曲の演奏会
・室内楽演奏会vol.10