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2015/06/20

R.G.シュトラウス/ホルン協奏曲第1番 Op.11

「ドン・ファン」「ばらの騎士」「ツァラトゥストラはかく語りき」などの大規模な管弦楽で知られるリヒャルト・シュトラウスですが、初期には規模も小さく古典的な作品を残しています。

編成はトロンボーンを持たない古典的な二管編成なので、後に作曲された「アルプス交響曲」のような四管編成・ホルン8本とは随分と規模に違いがあります。
しかしこの協奏曲の最初のハーモニーが始まった瞬間、これはリヒャルト・シュトラウスの曲である、と納得します。作曲した18歳という年齢を考えるとやや背伸びをした感じはしますが、彼らしい尊大で、貴族的な雰囲気を醸し出しているとは言いすぎでしょうか。

第1楽章はいかにもリヒャルト・シュトラウスなファンファーレから始まり、ロンド形式で自由に、そして楽しく曲が進みます。
第2楽章へは切れ目なく続きますが、変イ長調(フラット4つ)という調性で、アマチュアの苦手な「ドのフラット(つまりシの音)」や「ファのフラット(つまりミ・・・)」がでてきて不思議なハーモニーが続きます。中音域で朗々と続くソロがなんとも気持ちのよい時間です。

一瞬の全休止と間奏を挟み始まる第3楽章は、ロンド形式の名手であるモーツァルトがこの時代に生きていたらこのような曲を書いたのではないか、と妄想してしまうぐらいの傑作です。弾むようなホルンのソロとオーケストラとの対話がいつまでも続いて欲しいのですが、第1楽章の主題が回帰してお祭り騒ぎもやがて終演へと向かいます。

このホルン協奏曲も18歳の時に作曲されておりホルン奏者であった父親の影響を受けている、と言われます。
ホルンという楽器は木管アンサンブルでも金管アンサンブルでも活躍し、メロディー・リズム・ハーモニーとまさに万能の楽器で、古くはモーツァルトから、ベートーヴェン、ブラームス以降あらゆる作曲家に愛された楽器ではないでしょうか。