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2017/01/29

M.ラヴェル / ハバネラ形式の小品

キューバの首都、ハバナ。
ハバネラは「ハバナ風の」と言うわけですが、たゆたうような特徴的なリズムを持つキューバの民俗舞曲およびその様式で、1791年のハイチ革命時にキューバに流入したフランスのコントルダンスに源流があります。そこから発展したハバネラのリズムは船乗りによってスペインに輸入され、19世紀末までにはアメリカ、イギリスなど世界的に人気の舞曲となっています。後にフラメンコと混ざり合ってアルゼンチンに上陸し、タンゴのルーツとなりました。

ハバネラが「スペイン舞曲」として根付く中、クラシックではフランスの作曲家に好んで用いられ、有名どころはビゼーの《カルメン》の中の独唱曲「ハバネラ」(恋は野の鳥)や、サン=サーンスのヴァイオリン曲《ハバネラ》作品83。そして、このラヴェルの「ハバネラ形式の小品」も、その一つとしてフルート、オーボエ、ヴァイオリン等の独奏レパートリーとして親しまれています。今回はオーボエと弦楽四重奏という組み合わせとなります。
1907年に作曲された時点では声楽曲で、レッスン用エチュードでした。(ヴォカリーズ…つまり歌詞が無く母音で歌う作品)またラヴェルは 「ハバネラ」を他にも《スペイン狂詩曲》の第3曲にも用いています。スペインにほど近いバスク地方で生まれ、母親の歌うバスク地方の子守唄を聴いて育ったラヴェルは、スペイン音楽に深い愛着をもち、彼の作品中には、度々その影響が色濃く見受けられます。

ラヴェルは友人からディナーに招待されると、普通は花やワインを用意するところをチーズを専門店から届けさせたと言います。
第7回目となる当団の室内楽演奏会、オードブルに ラヴェルからの贈り物をどうぞ。

この曲の演奏会
室内楽演奏会vol.7