2017年2月5日(日) かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール
13:00 開場 13:30 開演
入場無料
曲目:
M.ラヴェル / ハバネラ形式の小品
L.v.ベートーヴェン / 弦楽四重奏曲第9番 ハ長調 「ラズモフスキー第3番」 Op.59-3
E.グリーグ / 組曲『ホルベアの時代から』 Op.40
J.M.ダマーズ / フルート・オーボエ・ピアノのための三重奏曲 より
A.オネゲル / 「2つの楽器とピアノのための小組曲」
R.シューマン/ ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44
お問い合わせ
メールでのお問い合わせ
ラヴェルの小品に始まり、ベートーヴェンの弦楽四重奏、弦楽合奏曲、木管アンサンブル、ピアノ五重奏曲と今回も盛り盛りでお楽しみいただけるプログラムです。
ぜひご来場ください!
会場アクセス:
京成線青砥駅下車徒歩5分
ページ
▼
2016/11/26
2016/11/15
F.メンデルスゾーン-B/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
あと5年生きてもっと作品を残して欲しかった、と何百年たっても惜しまれる天才作曲家がいます。
シューベルト(31歳)、モーツァルト(35歳)、ショパン(39歳)、ビゼー(36歳)、ガーシュイン(38歳)とあげればきりがありませんが、メンデルスゾーンもそうした早世の作曲家の一人で、38歳で亡くなっています。
裕福な家庭に生まれたことでベートーヴェンのようにお金に困ることはなく、小さい時から数々の語学、数学、乗馬、絵画と一日中勉強に励み、音楽でも当然家庭教師がつき、バイオリンにピアノに作曲まで手ほどきをうけていました。
”パパパパーン♪"と鳴り響けば誰もが思い浮かべる「結婚行進曲」を含む「真夏の夜の夢」はわずか17歳で作曲し、20歳の時にはバッハの「マタイ受難曲」を(ほぼ)100年ぶりに再演したりと華々しい活躍をします。
そんなメンデルスゾーンの代表作の一つがこのヴァイオリン協奏曲。
”メンコン”とも呼ばれるこの曲はベートーヴェン、ブラームスと並ぶヴァイオリン協奏曲の頂点に立つ曲であり、メンデルスゾーンとしては晩年となる35歳の時に作曲されています。
若い頃に「弦楽のための交響曲」「弦楽八重奏曲」など弦楽器を使った作品を残しているのでもっと若い頃の作品と思っていましたが、意外にも5つの交響曲を書き終え、管弦楽曲としてはほぼ最後に近い作品だったりします。
短い前奏の後に憂いをおびたやや悲しげなメロディーからはじまるこの協奏曲は、1838年から作曲が始められ1844年に完成しています。彼の短い生涯を考えればなんと長い時間を費やした作品でしょうか。
この言葉はなんとも作品の本質を突いているのではないでしょうか。
パガニーニの作品のようなソリストの超絶技巧をアピールする曲ではなく、ソロとオーケストラが1つの楽器として、さらには1楽章から3楽章までが通して演奏される作品としてのつながり、そして一体感。天才メンデルスゾーンの最高傑作としてふさわしい作品ではないでしょうか。
メンデルスゾーンの死後わずか3年後、かのリヒャルト・ワーグナーが論文「音楽におけるユダヤ性」でその音楽性を否定し、またさらに後にはナチス・ドイツはメンデルスゾーンを含むユダヤ人作曲家の作品の公演を禁止し、ゲヴァントハウスのメンデルスゾーンの記念像をも破壊する暴挙にでますが、そのような中でもこの協奏曲は演奏され続け、180年経つ現代でも愛されてきました。
まさに人類の至宝とも呼ぶべき作品です。
シューベルト(31歳)、モーツァルト(35歳)、ショパン(39歳)、ビゼー(36歳)、ガーシュイン(38歳)とあげればきりがありませんが、メンデルスゾーンもそうした早世の作曲家の一人で、38歳で亡くなっています。
裕福な家庭に生まれたことでベートーヴェンのようにお金に困ることはなく、小さい時から数々の語学、数学、乗馬、絵画と一日中勉強に励み、音楽でも当然家庭教師がつき、バイオリンにピアノに作曲まで手ほどきをうけていました。
”パパパパーン♪"と鳴り響けば誰もが思い浮かべる「結婚行進曲」を含む「真夏の夜の夢」はわずか17歳で作曲し、20歳の時にはバッハの「マタイ受難曲」を(ほぼ)100年ぶりに再演したりと華々しい活躍をします。
そんなメンデルスゾーンの代表作の一つがこのヴァイオリン協奏曲。
”メンコン”とも呼ばれるこの曲はベートーヴェン、ブラームスと並ぶヴァイオリン協奏曲の頂点に立つ曲であり、メンデルスゾーンとしては晩年となる35歳の時に作曲されています。
若い頃に「弦楽のための交響曲」「弦楽八重奏曲」など弦楽器を使った作品を残しているのでもっと若い頃の作品と思っていましたが、意外にも5つの交響曲を書き終え、管弦楽曲としてはほぼ最後に近い作品だったりします。
短い前奏の後に憂いをおびたやや悲しげなメロディーからはじまるこの協奏曲は、1838年から作曲が始められ1844年に完成しています。彼の短い生涯を考えればなんと長い時間を費やした作品でしょうか。
曲が要求しているのは技巧の完全さを超えた深い解釈と崇高な簡素さを備えた様式であるのに、平凡なヴァイオリニストが演奏すると、この協奏曲は名人芸の見せ場になる
ーーレミ・ジャコブ「メンデルスゾーン」(作品社,2014)
この言葉はなんとも作品の本質を突いているのではないでしょうか。
パガニーニの作品のようなソリストの超絶技巧をアピールする曲ではなく、ソロとオーケストラが1つの楽器として、さらには1楽章から3楽章までが通して演奏される作品としてのつながり、そして一体感。天才メンデルスゾーンの最高傑作としてふさわしい作品ではないでしょうか。
メンデルスゾーンの死後わずか3年後、かのリヒャルト・ワーグナーが論文「音楽におけるユダヤ性」でその音楽性を否定し、またさらに後にはナチス・ドイツはメンデルスゾーンを含むユダヤ人作曲家の作品の公演を禁止し、ゲヴァントハウスのメンデルスゾーンの記念像をも破壊する暴挙にでますが、そのような中でもこの協奏曲は演奏され続け、180年経つ現代でも愛されてきました。
まさに人類の至宝とも呼ぶべき作品です。
2016/11/14
L.v.B.室内管弦楽団第39回演奏会
L.v.B.室内管弦楽団第39回演奏会
2017年3月20日(月・祝) 府中の森芸術劇場ウィーンホール
13:30 開場 14:00 開演
指揮:
廣井 隆
独奏:
高山 陽子
曲目:
F.メンデルスゾーン-B/序曲《美しいメルジーネの物語》 Op.32
J.フランセ/オーボエと管弦楽のための《花時計》
L.v.ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調Op.55《英雄》
入場料:
全席自由1,000円(前売800円)
前売りチケットはイープラスおよび府中の森芸術劇場チケットセンターにて取り扱い
※イープラスはこちら
ナポレオンの即位の報を知り、「奴もまた俗物に過ぎなかったか!」とベートーヴェンが怒りのあまりその譜面を破りとったとの逸話の残る交響曲第3番「英雄」。
オーケストラの編成にはトロンボーンを含まないため以降の交響曲よりは小ぶりですが、音楽史に残る革命的な作品としても言い過ぎではありません。
当団では4回目の選曲ですが、何度演奏しても「名曲」の一言が思い浮かぶ作品です。
フランセの「花時計」はオーケストラではあまり演奏される機会がありませんが、、オーボエとピアノによる室内楽では人気の作品です。
午前3時からの1日、花をテーマにした時間の流れを楽しむ一品を古典的な2曲の作品に挟んでお送りします。
そしてメンデルスゾーンの「美しいメルジーネ」。
メルジーネはフランスやドイツの民話で、人と人ならざるものの悲しい恋の物語。
日本で言えば ・・・「鶴の恩返し」でしょうか。
メンデルスゾーンらしい美しいメロディーと古典的な編成ながらドラマティックな展開で、10分の間に紡がれる物語をお楽しみください。
お問い合わせ:
メールでのお問い合わせ
会場アクセス:
東府中駅(新宿駅から約25分、京王八王子駅から約20分)北口下車 徒歩7分
2017年3月20日(月・祝) 府中の森芸術劇場ウィーンホール
13:30 開場 14:00 開演
指揮:
廣井 隆
独奏:
高山 陽子
曲目:
F.メンデルスゾーン-B/序曲《美しいメルジーネの物語》 Op.32
J.フランセ/オーボエと管弦楽のための《花時計》
L.v.ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調Op.55《英雄》
入場料:
全席自由1,000円(前売800円)
前売りチケットはイープラスおよび府中の森芸術劇場チケットセンターにて取り扱い
※イープラスはこちら
ナポレオンの即位の報を知り、「奴もまた俗物に過ぎなかったか!」とベートーヴェンが怒りのあまりその譜面を破りとったとの逸話の残る交響曲第3番「英雄」。
オーケストラの編成にはトロンボーンを含まないため以降の交響曲よりは小ぶりですが、音楽史に残る革命的な作品としても言い過ぎではありません。
当団では4回目の選曲ですが、何度演奏しても「名曲」の一言が思い浮かぶ作品です。
フランセの「花時計」はオーケストラではあまり演奏される機会がありませんが、、オーボエとピアノによる室内楽では人気の作品です。
午前3時からの1日、花をテーマにした時間の流れを楽しむ一品を古典的な2曲の作品に挟んでお送りします。
そしてメンデルスゾーンの「美しいメルジーネ」。
メルジーネはフランスやドイツの民話で、人と人ならざるものの悲しい恋の物語。
日本で言えば ・・・「鶴の恩返し」でしょうか。
メンデルスゾーンらしい美しいメロディーと古典的な編成ながらドラマティックな展開で、10分の間に紡がれる物語をお楽しみください。
お問い合わせ:
メールでのお問い合わせ
会場アクセス:
東府中駅(新宿駅から約25分、京王八王子駅から約20分)北口下車 徒歩7分
2016/11/03
L.v.ベートーヴェン/劇音楽《アテネの廃墟》 作品113 より序曲
「トルコ行進曲」と言えば、「エリーゼのために」と双璧をなすほど有名なベートーヴェンのピアノ曲ですが、この曲は実は管弦楽曲だったことはご存じでしょうか?
それが演奏会の皮切りに演奏される「序曲」が収められている劇付随音楽「アテネの廃墟」の第四曲が「トルコ行進曲」です。
「序曲」もベートーヴェン中期の作品らしく、とても充実した作品です。 聞きどころはなんといっても序奏部の陰影のあるオーボエのソロです。ベートーヴェンの序曲でこのような特定の楽器による長大なソロが演奏されるのはこの一曲のみです。
ドラマは主神ゼウスによって2000年間眠らされていた知恵と芸術の神ミネルバが目を覚ますとアテネは、トルコの侵攻により廃墟と化していたところから始まります。オーボエのソロはミネルバの悲しみを表しているかのようです。
曲の後半は、新たな土地で芸術の発展に力を尽くした皇帝フランツをたたえる賛歌で曲を閉じます。
曲は1811年に作曲され1812年の同じく劇付随音楽の「シュテファン王」と共に初演されました。
それが演奏会の皮切りに演奏される「序曲」が収められている劇付随音楽「アテネの廃墟」の第四曲が「トルコ行進曲」です。
「序曲」もベートーヴェン中期の作品らしく、とても充実した作品です。 聞きどころはなんといっても序奏部の陰影のあるオーボエのソロです。ベートーヴェンの序曲でこのような特定の楽器による長大なソロが演奏されるのはこの一曲のみです。
ドラマは主神ゼウスによって2000年間眠らされていた知恵と芸術の神ミネルバが目を覚ますとアテネは、トルコの侵攻により廃墟と化していたところから始まります。オーボエのソロはミネルバの悲しみを表しているかのようです。
曲の後半は、新たな土地で芸術の発展に力を尽くした皇帝フランツをたたえる賛歌で曲を閉じます。
曲は1811年に作曲され1812年の同じく劇付随音楽の「シュテファン王」と共に初演されました。
2016/11/01
J.ブラームス/交響曲第2番ニ長調 作品73
完成までに実に21年を費やしたブラームス第1番の交響曲は、ベートーヴェンからの交響曲の系譜を正統的に受け継いだ「ベートーヴェンの交響曲第10番のようだ」と評され、またブラームス本人もベートーヴェンの影響下の作品であると認めていたと言われます。
難産ながら大成功を収めた第1番の発表の翌年、初めて訪れた避暑地ペルチャッハの湖畔をたいへん気に入り、そこで6月に着手し、わずか4か月後に書き上げたのが第2番である本作です。
ブラームスの田園交響曲とも呼ばれ、なるほど穏やかで美しい風光を反映したような温和な喜ばしい気分に富んでおり、第1番の「苦悩から勝利へ」といった劇的で重い雰囲気と対照的。
ブラームスの第1・第2交響曲は、ベートーヴェンの第5・第6…「運命・田園」の関係とも比されます。
第1楽章の冒頭に、基本モチーフ「レ-ド#-レ」が低弦で現され、楽曲全体に何度となく登場します。
この1小節間でのモチーフ直後からのホルンの第1テーマが、なんとも伸びやかで牧歌的。
徐々に雄大に展開したのちスタッカートの軽く弾む経過句を経て、チェロを中心に渋く歌い上げる第2テーマも美しく迫ります。
胸に一抹の切なさも感じさせる、魅力的な景色と心象風景をも見せてくれる楽章です。
第2楽章は、ロ長調ながらも内省的で物寂しい響きのあるテーマ(ブラームス自身が、自分の生涯でいちばん美しい旋律だと語っているそうです)がチェロで出され、幻想的な雰囲気のなか中間部では少し楽しげに軽やかな足取りになります。
個人的にブラームスの緩徐楽章には「月夜のおさんぽ」という呼び名が似合うものが多いと思っているのですが、曲により一人の散歩なのか二人なのかイメージが膨らむところです。
この楽章もまた、月夜が似合いますが…一人で薄明りを踏んで散歩しながら、もう一人を幻影で見ているようではないでしょうか。
第3楽章はメヌエットとスケルツォが変則的に融合したような、材料となるロココ風の愛らしいテーマが変化を見せていくさまも楽しいものとなっています。
朝靄の中からモヤッと始まるような第4楽章は、すぐに明るい陽射しを伴って楽しく、ときに喜びが爆発するような熱を放ちながら進みます。
第1、第2主題とも巧みに基本モチーフが使われ、トランクィロもまた それに基づく3連符で呼応されます。
再現部を経てコーダは金管楽器が華やかに歓喜を盛り上げて走り抜けます。
ブラームスが滞在した家は現在はペンションとして営業されているとのことだが、現地ではそれほど観光名所というほどではないようだ。
難産ながら大成功を収めた第1番の発表の翌年、初めて訪れた避暑地ペルチャッハの湖畔をたいへん気に入り、そこで6月に着手し、わずか4か月後に書き上げたのが第2番である本作です。
ブラームスの田園交響曲とも呼ばれ、なるほど穏やかで美しい風光を反映したような温和な喜ばしい気分に富んでおり、第1番の「苦悩から勝利へ」といった劇的で重い雰囲気と対照的。
ブラームスの第1・第2交響曲は、ベートーヴェンの第5・第6…「運命・田園」の関係とも比されます。
第1楽章の冒頭に、基本モチーフ「レ-ド#-レ」が低弦で現され、楽曲全体に何度となく登場します。
この1小節間でのモチーフ直後からのホルンの第1テーマが、なんとも伸びやかで牧歌的。
徐々に雄大に展開したのちスタッカートの軽く弾む経過句を経て、チェロを中心に渋く歌い上げる第2テーマも美しく迫ります。
胸に一抹の切なさも感じさせる、魅力的な景色と心象風景をも見せてくれる楽章です。
第2楽章は、ロ長調ながらも内省的で物寂しい響きのあるテーマ(ブラームス自身が、自分の生涯でいちばん美しい旋律だと語っているそうです)がチェロで出され、幻想的な雰囲気のなか中間部では少し楽しげに軽やかな足取りになります。
個人的にブラームスの緩徐楽章には「月夜のおさんぽ」という呼び名が似合うものが多いと思っているのですが、曲により一人の散歩なのか二人なのかイメージが膨らむところです。
この楽章もまた、月夜が似合いますが…一人で薄明りを踏んで散歩しながら、もう一人を幻影で見ているようではないでしょうか。
第3楽章はメヌエットとスケルツォが変則的に融合したような、材料となるロココ風の愛らしいテーマが変化を見せていくさまも楽しいものとなっています。
朝靄の中からモヤッと始まるような第4楽章は、すぐに明るい陽射しを伴って楽しく、ときに喜びが爆発するような熱を放ちながら進みます。
第1、第2主題とも巧みに基本モチーフが使われ、トランクィロもまた それに基づく3連符で呼応されます。
再現部を経てコーダは金管楽器が華やかに歓喜を盛り上げて走り抜けます。
現在のペルチャッハ(from Wikipedia)
南オーストリアにあり、日本でいうと摩周湖ぐらいの広さの湖。ブラームスが滞在した家は現在はペンションとして営業されているとのことだが、現地ではそれほど観光名所というほどではないようだ。