Bの日記帳

2017/11/06

F.ディーリアス/夜明け前の歌

1918年、フレデリック・ディーリアス56歳の時の作品で、まだこの頃は自力で歩き自分の目と手でスコアを書けましたが、この十年後には梅毒による全身麻痺と失明に見舞われ口述筆記で新曲を発表し続け、72歳まで生きました。

イギリスに生まれ、ドイツのライプツィヒ音楽院で音楽教育を受けたのちパリへ移り、64km離れたグレ=シェル=ロワン村の妻(画家)の持ち家に更に移って彼女と暮らし、そこで没しています。フォンテーヌブローの森との境にある自然豊かな住まい。「春初めてのカッコウを聞いて」「夏の庭で」「河の上の夏の夜」といった自然を題材にした作品の多い、旋律的で詩的、甘美で淡い…とも評される作風はここで熟されていったことが伺えます。

この曲はイギリスの詩人であるスウィンバーンの詩から霊感を得、日の出前のイギリスの田園風景を描いていると言われます。序奏は徐々に目覚める自然の仄かなざわめきを暗示し、短い中間部を挟んだ3部形式が鳥の音を伴って展開して日の出のクライマックスを迎えたのち、そんな感動など無かったかのような静かな日常風景の訪れで曲を閉じます。

この曲の演奏会
第40回演奏会

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