2015/11/29

演奏会履歴(第26~30回)

第26回演奏会
<<ドビュッシー・ディーリアス・メーテルリンク生誕150周年>>
2012年9月2日(日)
 府中の森芸術劇場 ウィーンホール 指揮:広井 隆

 G.U.フォーレ/「ペレアスとメリザンド」 作品80
 F.T.A.ディーリアス/「2つの水彩画」
 C.A.ドビュッシー/「フランソワ・ヴィヨンの詩による3つのバラード」
 L.v.ベートーヴェン/交響曲第7番 イ長調 作品92
 E.A.Lサティ(C.A.ドビュッシー編曲)/ジムノペディ第1番(アンコール)

第27回演奏会
2013年1月27日(日)
 五反田文化センター 音楽ホール 指揮:苫米地 英一

 S.ブリテン/聖エドモンズバリーのためのファンファーレ
 G.H.ヘンデル/水上の音楽第2組曲 ニ長調 HWV349
 W.A.モーツァルト/交響曲第40番 ト短調 K.550
 L.v.ベートーヴェン/ロンディーノ
 J.ブラームス/セレナード第2番 イ長調 作品16
 J.シュトラウス/ピチカート・ポルカ(アンコール)
第28回演奏会
2013年3月24日(日)
 府中の森芸術劇場 ウィーンホール 指揮:広井 隆

 J.M.ラヴェル/クープランの墓
 C.C.サン=サーンス/チェロ協奏曲第1番イ短調作品33(独奏:印田 陽介)
 L.v.ベートーヴェン/交響曲第4番変ロ長調作品60
 G.U.フォーレ/マスクとベルガマスクよりメヌエット(アンコール)
第29回演奏会
2013年9月23日(月)
 府中の森芸術劇場 ウィーンホール 指揮:広井 隆

 J.ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲 作品56a
 W.A.モーツァルト/歌劇「劇場支配人」 K.486
  ソプラノ: 田子 雅代(マダム・ヘルツ)
  ソプラノ: 和田 友紀菜(マドモワゼル・ジルバークラング)
  テノール: 田口 昌範(ムッシュ・フォーゲルザンク)
  バリトン: 岩崎 恭男(ブッフ)
 L.v.ベートーヴェン/交響曲第2番 ニ長調 作品36
 G.フォーレ/ドリーより「ミ・ア・ウ」(アンコール)

第30回演奏会   
2014年3月2日(日)
 府中の森芸術劇場 ウィーンホール 指揮:広井 隆

 J.M.ラヴェル/バレエ「ジャンヌの扇」よりファンファーレ
 L.v.ベートーヴェン/交響曲第6番へ長調<<田園>> 作品68
 J.ブラームス/交響曲第4番ホ短調 作品98
 J.ブラームス/ハンガリー舞曲第1番(アンコール)

2015/11/15

S.バーバー/弦楽のためのアダージョ Op.11

厳かな祈りの音楽、中間部のドラマティックな音楽、嘆きのうちに収束する結末と、10分ほどの小品ながらアマチュア・プロを問わず人気のあるこの曲は、イギリスの作曲家サミュエル・バーバーが元々は弦楽四重奏として作曲した曲を弦楽合奏に編曲したものです。

通称「バーバーのアダージョ」とも呼ばれますが、クラシックにあまり馴染みのない人でも、オリバー・ストーンがベトナム戦争を描いた映画『プラトーン』やJ.F.ケネディの葬儀、N響による昭和天皇の追悼演奏会を始め、映画やドラマで耳にされたことがあるのではないでしょうか。

曲は静かなハーモニーに始まります。
前半は救いを求めるかのように音が上昇をしようとする単調な音型が続きますが、なかなか果たすことができないまま、各パートを巡っていきます。
やがて中間部で低弦から高弦にむかってオクターブの跳躍を繰り返し、その祈りを届けようと曲はドラマティックな盛り上がりを見せます(このあたりは各パート音が高くなり、難しくなってくるところです)。
しかし その願いは果たされず、全休止(オーケストラ全体が止まってしまうこと)の後3回の嘆きの旋律が繰り返され再び全休止を迎えます。
そして冒頭のフレーズが再開されますが、最後には力尽き収束を迎えます。

バーバー自身は葬儀や追悼の場面で演奏されることが多いことに納得できなかったそうですが、ベートーヴェンの交響曲第3番・第7番の第2楽章やバッハのアリア(管弦楽組曲第3番の1曲)と並び、人の心に染みる音楽であることは確かです。

2015/11/10

J.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77

ヴァイオリン協奏曲の王様と言えばやはりベートーヴェンです。
そしてメンデルスゾーンとこのブラームスをあわせた3曲が「3大協奏曲」またはチャイコフスキーを含めて「4大協奏曲」とこのジャンルの最高峰の1曲でしょう。


なかでもブラームスの協奏曲は演奏難易度が格段に上がります。
ハイポジションや重音奏法の連続、オーケストラとの複雑な絡み合い・・・ブラームスの綿密な作り込みがあり、「ソリストとオーケストラ」ではなく独奏楽器すら1つのパートにすぎないような
交響的な曲に仕上がっています。

作曲されたのは1878年、ブラームスが45歳の時です。
すべてにおいて慎重なブラームスの作品では1877年に交響曲第2番作品73、続く作品78にはヴァイオリンソナタの「雨の歌」、作品80「大学祝典序曲」、作品81「悲劇的序曲」と言った脂ののった時期の作品と言えます。

作曲された経緯は諸説ありますが、親友ヨアヒムの演奏するベートーヴェンの協奏曲に感銘を受けたと言われています。そしてイタリア旅行の間に親友の助言を受け(しかしすべては受け入れずに)完成されたのがこのヴァイオリン協奏曲です。

初演もヨアヒムの独奏、ブラームスの指揮によって行われ、大変好評だったようです。
全体の半分近くを占める第1楽章はどこか牧歌的な雰囲気に始まり、様々なテーマがオーケストラによって提示され、独奏とオーケストラが変形させていくブラームスらしい楽章です。
 第2楽章は一転オーボエの美しい旋律が続き、サラサーテなどはこのオーボエのソロを聴きながら待っているのが悔しく演奏しなかったという逸話が残っているほどです。当初は4楽章の構成がありましたが、中間の2曲を廃棄してこの第2楽章が作曲されたと言われています。
最後の第3楽章はジプシー風のロンドで、楽しげなお祭り騒ぎの1曲です(ブラームスがここまではっちゃけるのも珍しい?)。最後はトルコ行進曲のような曲に変わり、楽しかった夢の時間が終わるように締めくくられます。

同じ年にチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が作曲されていますが、チャイコフスキーはブラームスの曲を「詩情が欠ける」と評したそうです。
チャイコフスキーの譜面はユニゾン(複数の楽器が同じ旋律を同時に演奏すること)が多く、シンプルではありますが美しい旋律に満ちています。ブラームスはその対極で、計算し、練りに練られた構成、1つの主題をこれでもかと使い回すところがチャイコフスキーが辛口になるところでしょう。

ブラームスは決してワーグナーやリストのように新しいジャンルを開拓したわけではなく、しかしながらこのややこしさがまた魅力なのだ、と年を取るに連れて味わいが深く感じられる作曲家ではないでしょうか。

2015/11/09

L.v.B.室内管弦楽団第36回演奏会

L.v.B.室内管弦楽団第36回演奏会

2016年3月21日(月・祝) 府中の森芸術劇場ウィーンホール
13:30 開場 14:00 開演

指揮:
 苫米地 英一

独奏:
 山形 明朗

曲目:
 J.シベリウス/「カレリア」組曲 Op.11
 L.v.ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番《皇帝》 変ホ長調 Op.73
 J.ブラームス/交響曲第3番 ヘ長調 Op.90

入場料:
 全席自由1,000円(前売800円)
L.v.B .室内管弦楽団第36回演奏会


総勢40名ほどの室内管弦楽団、通常のオーケストラの半分以下の人数で演奏するブラームスに取り組んできました。
第1番・第4番に続く3回目では「ブラームスの英雄交響曲」とも称される第3交響曲を取り上げます。

あわせて演奏するのはベートーヴェンの「英雄交響曲」・・・ではなく、「皇帝」のサブタイトルを持つピアノ協奏曲第5番。
冒頭和音が鳴り響くと共に豪華絢爛な宮廷を想いを馳せてしまう、運命や闘争とは離れた、ベートーヴェン中期の充実した明快な作品です。 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は「王様」のイメージですが、この「皇帝」は双璧をなす大曲でしょう!

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会場アクセス:
 東府中駅(新宿駅から約25分、京王八王子駅から約20分)北口下車 徒歩7分


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